6月6日(火)、在日朝鮮人関係資料室・研究会を開催しました。「コリアン・ジェノサイドを考える-関東大震災時朝鮮人虐殺100年にあたって-」というタイトルで前田朗先生(東京造形大学名誉教授、朝鮮大学校非常勤講師)が報告しました。
 
 
 報告では、国際法におけるジェノサイド概念は、ラファエル・レムキンによって初めて提案され、1948年に成立したジェノサイド条約によって国際的な定義が確立し、1994年のルワンダ国際法的規程、1998年の国際刑事裁判所規程を経て概ね定義が確定したという説明がありました。また歴史学において蓄積されたジェノサイド研究についてもふれられました。報告者は、国際法や歴史学が蓄積してきた概念に沿ってコリアン・ジェノサイドの主要な局面を考えるならば、①朝鮮の植民地化過程におけるジェノサイド、②関東大震災ジェノサイド、③コリアン文化ジェノサイド、④ジェノサイドの否定の4つがあり、この総体をコリアン・ジェノサイドと呼び、ジェノサイドの世界史に位置付けられると述べました。最後に、ジェノサイド研究において、国際法、国際刑法、歴史学、政治学などとの総合的な研究および国際ジェノサイド防止事務所など国際的なジェノサイド研究との連接の必要性について提起しました。
 研究会には26名が参加しました。